殺鼠剤

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小生、昭和35年、子歳生まれにして大のネズミ嫌いである。

だから殺鼠剤だけは常備薬同様、欠かさずに備え置いている。

今年も三月の彼岸を過ぎたあたりから、吾が草庵にも度々出没するに至り、以下のお札を掲げだした。

御札

チュー太郎一味。

右の者、当家出入禁止を申し告ぐるもの也。

狸尚庵 亭主

 

効き目は全く無い。

今年も殺鼠剤を既に5箱費やしているが、入れ替わり立ち替わり、いろんな家族が出入りしているようで、未だ十分な効果は感じ得ずにいる。

吾が草庵は大正九年の建築である。

従って基礎は無く、縁の下がそのまま戸外と繋がった構造を呈しているため、獣たちは自由奔放に床下を往来している訳だ。

寝ている時など、よく床下を何かが動き回っている気配を度々感じているから間違えはない。

一度、ビックリした経験がある。

生来の寝相の悪さから、就寝中よく大口を開けて寝ている。そのため涎を垂らす癖が未だにあり、普通の枕カバーは使用せず、バスタオルを巻くことにしている訳だが・・・、何と朝起きてみると、ズレ込んだバスタオルの窪みに、殺鼠剤のあのピンクの粒々が口先三寸余りのところに五粒ほど置いてあったのだ。

驚愕の余り、凍り付いたことを覚えている。

しかしこれも時間の問題と最近は動じずにいるから経験は恐ろしい。

気配を感じてか、それを捕食する別の獣が出入りしだすのである。

タヌキか?ハクビシンか?キツネか?・・・明らかにネズミより大型の獣が出入りしだすとたちまちネズミは姿を消すのである。

一度朝早くに床下から出ていくタヌキを見たから間違いない。

ネズミ嫌いの主人には正に

“御札に勝るタヌキ様”である。

以来、吾が草庵を狸尚庵と号した次第だ。

 

“殺鼠剤仕舞ひ忘れて梅雨入かな”

狸尚庵 亭主

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